4月, 2017年
ワークショップ 地唄舞へのいざない~`芦刈‘の世界~
ワークショップ 地唄舞へのいざない~`芦刈‘の世界~
平成29年6月4日(日) 14時~16時 於 肥後細川庭園 松聲閣 菊・朝顔の間 (文京区目白台 1-1-22)
舞の技術を体験してもらう一般的なワークショップの域を出て、地唄舞をとりまく世界に 参加者を誘い、その中に浸った状態で舞の体験を含め地唄舞を五感で理解して頂く試み です。
旧熊本藩細川家の学問所であった建物 ‘松聲閣’から庭を望み、その庭も含めたお茶室の しつらえのなかで大和物語第百四十八段‘芦刈’を展開致します。 わかりやすく美しい現代語での‘芦刈’の妻の語りで入り、‘芦刈’の世界に入って頂いた後地 唄舞‘芦刈’を鑑賞と体験。余韻を楽しむお抹茶の時間をはさんだ後に地唄舞の代表的な演 目の一つ‘江戸土産’を鑑賞して頂きます。
曲 目:地唄舞‘芦刈’‘江戸土産’
出 演:語り 藤本 しの(芝居三昧)
舞と指導 花崎 玉女(地唄舞 花崎流) 企 画:花崎 玉女
入場料:無料 ただし、写真代を実費で頂きます。
お問合せ先:090-3084-1475 Mail:maigokorohiraku@gmail.com
お扇子などの準備の都合がありますので、必ずご予約の上お越しください。
※ 地唄舞に日頃馴染みがない方のためのワークショップです。 僭越ながらすこしでも地唄舞を広く知って頂くため、現在他流に入門されている方、及 び既に舞踊家・指導者の道を歩まれている方のご参加はご遠慮をお願い申し上げます。
後援:一般社団法人地唄舞普及協会
【ご案内】
ちょっと地唄舞情報 ~舞扇について~
開閉して使う扇は世界に誇れる日本の発明品です。また、舞には必須のものです。
本日は花崎流でお稽古に使う舞扇についてのお話をします。
扇のことをお話しする前に、先ず初心者の方には閉じた場合の花崎流の舞扇の裏表の見分け方を説明をします。実は、私はお稽古をはじめて何年か経ってから扇に裏表のあることを初めて知って恥ずかしい思いをしました。扇を閉じた状態で柄の出るほうが表、柄の見えないほうが裏になります。舞始めの構えの姿勢で扇を手にしたときに、くれぐれも表と裏を反対にしないようにしてください。写真のように表側に親指がくるのが基本です。
扇の持ち方の基本は、まず扇の要に薬指をもってきます。この薬指でしっかり掴むのがポイントです。薬指中心に中指と小指の三本でしっかり支え、親指と人差し指には力をいれません。
扇を持つ場合には、紙の部分を汚さないためいつも骨の部分を持つようにします。
新しい扇をお稽古に卸すときには、使い始める前に扇の最初の一枚を開いたり閉じたりして少しクセをつけるようにします。その準備をすることで扇を開いたり閉じたりするときに扇が中途半端な場所で開閉するような乱れを防ぐことができます。
花崎流の扇は、杜季女師がデザインされたものです。花崎の紋の雁金が描かれています。雪輪の中に可愛らしい二羽の雁が飛んでいます。この二羽のくちばしをよく見ると幸福があるようにということで阿吽になっています。
親骨はしっかりしていますが、中骨は薄めになっています。これは男性より小さな女性の手になじみのいいようにという配慮から杜季女師が宮脇賣扇庵さんに注文なさったとのことです。地唄舞の扇には女性らしい繊細な動きに添うようなものが求められます。
杜季女師は「扇とお友だちになるように」「扇と手が一体になるように」「六本目の指のように」と仰います。扇を自分の身体の一部のようにしぜんに動かすようにしなければいけません。扇遣いは舞の基本ですが、すぐに上達するものではありませんので、手にすいつくようになるまで、ひたすらお稽古を積み重ねるしかありません。
文責 珠真女