地唄の歌詞
羽織褄
2015-01-20
袖ひぢて 結びし中も薄氷 とくと合点はしながらも まだ春寒き雲行きは 誰に当た
って武庫山颪 痛くな吹きそ身は捨小舟 芦と葭とはな よしある仲よ おおそれさえ
節のまにまに口舌が絶えぬしょんがえ 雛と星とはな まれなる契り おおそれさえき
っと守った誓紙の表 仇し心はないわいな
文月
2015-01-20
文月の星のあう夜をうらやみて 残る思いの蛍がり うちわの風も袖ふきて 面白いじゃないかいな 稲穂ひろげて雁がね二つ 女夫くらすはなかたんぼ 土手の夜風にれんじまで 来てさんやれ かすかに紙ぎぬた 誰そやあんどの影ゆれて 玉姫あたりの狐火が ちらちらと 見えつかくれつ 引け四つ過ぎからまぶの客 きやしゃんせ 空さだめなき ひと時雨
三国一
2015-01-20
三国一のさあさあ 富士山 また たまつばきの おいやあ 千代までもと契りしに 西国巡礼さあさあ 御詠歌 父母の おいめぐみも深き粉河寺 さりとはつらや さあさあ さなから たらちねの よい うらみも深きふくれ面
名護屋帯
2015-01-20
逢うて立つ名が 立つ名の内か 逢はで焦れて 立つ名こそ まこと立つ名の内なれや 思ふうちにも隔ての襖 有るにかひなき捨小舟 思や世界の男の心 私はしら浪うつつなき 夜の寝覚のその睦言を 思ひ出すほどいとしさのぞっと身も世もあられうものか 締めて名護屋の二重の帯が 三重廻る 深山うぐひす鳴く音に細る(合)我は君ゆえ焦れて細る ああ浮世 昔忍ぶの恋ごろも
柳やなぎ
2015-01-20
柳やなぎで世を面白う ふけて暮すが命の薬 梅に従い桜になびく その日その日の風次第 嘘も真も義理もなし 初めは粋に思へども 日増に惚れてつい愚痴になり 昼寝の床の憂き思い どうした日和の瓢箪か あだ腹のたつ月じゃえ
« Older Entries