地唄舞普及協会

地唄舞の歌詞と解説 「う」の行
The U-row

浮舟

歌詞
受けし一酒の里言葉 春咲く梅や藤波の よるべのぬしにせかれてせいて気は浮舟の仇枕
解説
同じ名前の曲に箏組歌の「浮舟」、京風手事物の「浮舟」もあるが、両者が「源氏物語」の途上人物、浮舟に取材するのに
対し、本曲は「源氏物語」から離れている。
紅葉が散り、紅く色づいた滝川という秋の風景によそえて、寄る辺のない遊女の心が歌われている。客との逢瀬、酌み交わす
盃など、気持ちが浮かれる一方で、仮初めの契りにすぎないという廓の哀愁が漂っている。「浮舟」との曲名が表すとおり、全体に
縁語、掛詞などが多用され、古雅な歌詞ならびに曲調である。

梅が枝さん

歌詞
梅ヶ枝さんはすとんと炬燵に腰をかけ 煙くらべん浅間山 けむり比べんあさま山
そらさぬ顔にて吹く煙管 今宵のうちに三百両 
出来るかえ 出来まする 
どうでも鎧を受け戻し お前の出世を待つわいな
解説
浄瑠璃の代表的作品「ひらがな盛衰記」のなかの有名な場面を端唄にしている。「ひらがな盛衰記」は長大な話ですが、その中の主要な登場人物梶原源太の出陣のために必要な産衣(うぶぎぬ)の鎧を請け戻すための金が工面できず自分を投げ捨てようとする源太の恋人梅ヶ枝がこの端唄の主人公梅ヶ枝さん。
もとは腰元、今は廓に身を沈めて源太を養っている傾城梅ヶ枝が質に入れている源太の鎧を請け戻すため、無間の鐘(むけんのかね)をついてでも三百両を得たいと思い詰める。無間の鐘というのは、静岡県にあったお寺で、その鐘をつくと、現世ではお金を手にできるが来世では無間地獄に落ちる、という言い伝えがある。庭の手水鉢を鐘にみたてて鐘の代わりに柄杓でうとうとした時、三百両のお金が空(二階)から降ってきます。客に化けていた母があたえたものでした。それによって源太は一の谷の合戦にはせ参じるのです。
実際によく舞台にかけられる浄瑠璃で、その時の情景を振りで再現。

梅と松とや

歌詞
梅と松とや
若竹の手に手引かれて
注連飾りならば嘘じゃないぞえ ほんだわら
海老の腰とや千代までも
共白髪 ヨーイ ヨーイ
ヨイナカ(世の中)
良いところへ ゆずり葉の
でもまめ明けましては
目出度い 春じゃえ
解説
正月の ご祝儀唄
門松と蓬莱台 注連縄の
めでたい物尽くし
長寿で仲良く暮らし
子孫繁栄を祝いしょう
※ほんだわら:海藻植物 神尾藻 馬尾藻とも各務

梅にも春

  歌詞
【歌 詞】
梅にも春の色そえて
若水汲みが車井戸
音もせわしき
鳥追いや 朝日にしげき
人影を 若しやと思う 
恋の歌 遠音かぐらや
数とりの 待つ辻占いや
鼠泣き 逢うて嬉しき
酒機嫌 こい茶が
出来たら あがりゃんせ
(ササもっといで)
解説
新春の風物詩が描かれる中で恋人を待つ女性の、そわそわした気持ち、女心、恋心が表現されている