夕顔

住むは誰 訪いてやみんとたそがれに 寄する車のおとずれも 絶えてゆかしき中垣の 隙間もとめて垣間見や かざす扇にたきしめし 空だき物の ほのぼのと 主は白露光を添えて いとど栄えある夕顔の 花に結びし仮寝の夢も 覚めて身に染む夜半の風