地唄の歌詞
羽織褄

袖ひぢて 結びし中も薄氷 とくと合点はしながらも まだ春寒き雲行きは 誰に当た って武庫山颪 痛くな吹きそ身は捨小舟 芦と葭とはな よしある仲よ おおそれさえ 節のまにまに口舌が絶えぬしょんがえ 雛と星とはな まれなる契 […]

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地唄の歌詞
文月

文月の星のあう夜をうらやみて 残る思いの蛍がり うちわの風も袖ふきて 面白いじゃないかいな 稲穂ひろげて雁がね二つ 女夫くらすはなかたんぼ 土手の夜風にれんじまで 来てさんやれ かすかに紙ぎぬた 誰そやあんどの影ゆれて  […]

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地唄の歌詞
三国一

三国一のさあさあ 富士山 また たまつばきの おいやあ 千代までもと契りしに 西国巡礼さあさあ 御詠歌 父母の おいめぐみも深き粉河寺 さりとはつらや さあさあ さなから たらちねの よい うらみも深きふくれ面

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地唄の歌詞
名護屋帯

逢うて立つ名が 立つ名の内か 逢はで焦れて 立つ名こそ まこと立つ名の内なれや 思ふうちにも隔ての襖 有るにかひなき捨小舟 思や世界の男の心 私はしら浪うつつなき 夜の寝覚のその睦言を 思ひ出すほどいとしさのぞっと身も世 […]

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地唄の歌詞
柳やなぎ

柳やなぎで世を面白う ふけて暮すが命の薬 梅に従い桜になびく その日その日の風次第 嘘も真も義理もなし 初めは粋に思へども 日増に惚れてつい愚痴になり 昼寝の床の憂き思い どうした日和の瓢箪か あだ腹のたつ月じゃえ

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地唄の歌詞
水鏡

ひとめも知らぬ男なら 恨みも恋も有るまいものを なまぜ近江の水鏡 写して見れば水底は かたい堅田の石山に きつうのせたに わしゃのせられて 思ひすごしは我からさきの ひとつ前帯しどけない振りよ たとえあはずと三井寺の か […]

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地唄の歌詞
松づくし

唄い囃せや大黒 一本目には池の松 二本目には庭の松 三本目には下がり松 四本目には志賀の松 五本目には五葉の松 六つ昔は高砂の 尾上の松や 曽根の松 七本目には姫小松 八本目には浜の松 九つ小松を植え並べ 十で豊久能の伊 […]

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地唄の歌詞
大仏

大仏の妹背は京と奈良坂や 児の手柏の両面 窓から窓の垣間見に 囁く声もこだまして 聞いていよとも耳塚に 何の遠慮も太しき柱 互いに手に手をのばし合して抱きしめて 穴を忍び路潜らばくぐれ 鳥はものかは釣り鐘さえも 撞かぬ夜 […]

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地唄の歌詞
きぎす

春にも育つ花誘う 菜種の蝶は花知らず 蝶は菜種の味知らず 知らず知られぬ仲ならば 浮かれまいものさりとては そなたの世話になりふりも わが身の末のはなれ駒 長き夜すがら引き締めて 昔がたりの飛鳥川

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地唄の歌詞
こすの戸

浮草は 思案の外の誘う水 恋が浮世か浮世が恋か ちょっと聞きたい松の風 問えど答も山時鳥 月やは物の やるせなき 癪にうれしき男の力 じっと手に手を何にも言わず 二人して釣る蚊帳の紐

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