文月

文月の星のあう夜をうらやみて 残る思いの蛍がり うちわの風も袖ふきて 面白いじゃないかいな 稲穂ひろげて雁がね二つ 女夫くらすはなかたんぼ 土手の夜風にれんじまで 来てさんやれ かすかに紙ぎぬた 誰そやあんどの影ゆれて 玉姫あたりの狐火が ちらちらと 見えつかくれつ 引け四つ過ぎからまぶの客 きやしゃんせ 空さだめなき ひと時雨