羽織褄

袖ひぢて 結びし中も薄氷 とくと合点はしながらも まだ春寒き雲行きは 誰に当た
って武庫山颪 痛くな吹きそ身は捨小舟 芦と葭とはな よしある仲よ おおそれさえ
節のまにまに口舌が絶えぬしょんがえ 雛と星とはな まれなる契り おおそれさえき
っと守った誓紙の表 仇し心はないわいな