大仏

大仏の妹背は京と奈良坂や 児の手柏の両面 窓から窓の垣間見に 囁く声もこだまして 聞いていよとも耳塚に 何の遠慮も太しき柱 互いに手に手をのばし合して抱きしめて 穴を忍び路潜らばくぐれ 鳥はものかは釣り鐘さえも 撞かぬ夜明けとまた布団着て 寝たる姿や東山