~門下生の会まとめ~

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六瓢庵 門下生の会について
2016年12月3日
※門下生の会でプログラムの構成についてお教えください。
 
╶─╴演目については、初心者の方にはとにかくその人に向いているものを舞っていただきます。お稽古を始めたばかりの方にはその方がよりきれいに見えるように、初めてなのであまりプレッシャーにならないようなものを選びます。初心者は出演なさるだけでドキドキしていますから、なるべくご本人が気もちよく出来て、観に来て下さったご家族やお客様の良いと感じてくださるものを考えます。
何回目かの方には実力より少しハードルの高いものを選びます。挑戦してほしいと思います。
さらに回数を踏んだ方には、あえて苦手なものをやっていただきます。発表会でやらなければならないとなると、自分の苦手と思っていたものでも好きになったりしますし、それがきっかけとなって上達し、お客さまがみても佳かったと思う場合が多いです。
それからプログラム全体の流れももちろん考えます。同じようなものがかたまってしまうとよくありませんから。また今回は録音テープではなく地方さんが入りますので、唄の方が出ずっぱりにならないように、お休みをとれるような順番を考えて構成しました。
 
※向き不向きはどのように判断なさるのでしょう。
向き不向きはお稽古をやっているととてもよくわかります。教えやすいものはその人に向いているもので、教えにくいものは苦手なものなのです。その人がすーっと出来るものと苦労しているものはわかります。身体のやわらかいタイプ、カチッとしたタイプ、好き嫌いなども、すぐわかるものです。
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※今回はテープではなく地方さんの生演奏での発表会ですが、音楽にあわせるコツのようなものはありますでしょうか。
 
╶─╴歌詞を頭にいれておくのがまず基本です。また歌詞の背景にあるもの、たとえばある和歌の本歌どりであるなど、地唄舞関係の本や資料、ネットでもよいので調べてある程度勉強していただきたいと思います。そして、自分で舞ながら一緒に唄えるくらいにしてほしいのです。三味線のチントンシャンまで唄えるくらいです。
生演奏で舞う場合、動きに不安があると音楽を聴くことに集中できません。まず、唄の方の呼吸にあわせるようにして動いていくことを意識してください。
※お稽古を積む以外にないということがよくわかりました。
今回の門下生の会の総括をお願いいたします。
╶─国立劇場の場合と違い、今まで料亭などを使っていた門下生の会は会場や経費の問題で録音テープを使用していました。今回和芸空間「六瓢庵」ができまして、初めて地方さんの生演奏での舞の会が叶いました。三味線以外にも尺八、胡弓、お琴が入り華やかでした。演奏していただきました菊央雄司さん、日吉章吾さん、中村仁樹さん、富志乃清愁さんからは、木材(檜)の会場なので音の響きが良く気もち良かったという感想をいただいております。また出演したお弟子さんたちも音が会場全体にまわる感じで舞やすかったという感想でした。 嬉しかったのは近隣の方がいらしてくださったことで心から感謝しています。三鷹の地でこの和文化発信空間の六瓢庵が根付いていけるのではないかと心強く思いました。
来年も今年のような形式で門下生の会をしたいと考えています。
※来年度も大変楽しみです。色々なお話をありがとうございました。
文責 珠真女